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看護師の病棟以外の働き方!変わった職場やメリット・デメリットも紹介

看護師というと、病棟で患者さんのケアをするイメージが強いかもしれません。

しかし、看護師は病院だけでなく、様々な場所で活躍できる職業です。

保育園や学校、企業やイベント会場など、看護師が働ける場所は意外と多いのです。

また、変わった働き方に挑戦することもできます。航空機内や豪華客船、刑務所や自衛隊病院など、珍しい職場で働く看護師もいます。

では、具体的にどんな働き方があるのでしょうか?

この記事では、看護師の病棟以外の働き方を紹介します。

それぞれの職場や職種の特徴やメリット・デメリットも解説しています。

病棟以外の働き方に興味がある看護師は必見です。さっそく見ていきましょう。

目次

病院の病棟以外で勤務する看護師

厚生労働省の資料によると、2020年末時点で約128万人いる看護師のうち、69.0%が病院に勤務しています。ほかの就業先では、多い順に、診療所13.2%、介護保険施設等8.0%、訪問看護ステーション4.9%となっています。

これは2018年末時点と比べると、病院の割合は△4.9%減少し、診療所の割合は+2.0%増加しています。介護保険施設等と訪問看護ステーションの割合もそれぞれ+1.5%と+0.9%増加しています。

つまり、看護師の勤務先は病院から病棟以外の場所に多様化してきていると言えます。

もっと新しいデータはありませんが、2022年7月に厚生労働省が発表した「令和3年度看護職員確保対策事業」の中で、2021年3月末時点での看護師の就業状況に関する調査結果が示されています。

その調査によると、看護師の就業場所別の構成割合は以下のようになっています。

  • 病院:67.5%
  • 診療所:13.6%
  • 介護保険施設等:8.3%
  • 訪問看護ステーション:5.1%
  • その他:5.5%


この調査は全国約1万人の看護師を対象に行われたもので、厚生労働省の統計とは異なる方法で集計されているため、直接的な比較はできませんが、大まかな傾向としては病院以外の就業先が増えていることがわかります。

参考元:令和2年_衛生行政報告例_就業医療関係者_概況 (mhlw.go.jp)

診療所(クリニック)

病床がないか、19床以下の医療施設です。外来の診療補助や受付、備品整理など幅広い業務を行います。

夜勤がなく休日も決まっているところが多いですが、給料は病院より低くなることが多いです。

美容クリニック

容姿を美しくするための医療を提供する施設です。

美容皮膚科と美容外科があります。利用者の受付やカウンセリング、美顔器や脱毛器の操作や手術の介助などを行います。
夜勤がなく給与水準が高いですが、接客業のようなコミュニケーションスキルや売り上げ目標が求められます。

健診センター

健康診断や人間ドックを行う施設です。採血や身長・体重測定、視力・聴力検査、血圧測定、心電図検査などを行います。
手早さや効率の良さが求められます。夜勤がなく残業も少ないですが、給料はやや低くなります。

介護施設

介護を必要とする高齢者向けの施設です。

介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、看護小規模多機能型居宅介護、有料老人ホームなどがあります。

利用者の健康管理や医療的ケアを行います。長期的なサポートや看取りに関心のある人に向いています

訪問看護ステーション

在宅で療養する方のもとに看護師が訪問し、医療的なケアと生活のサポートを行うサービスです。

利用者によって求められる内容が異なるため、看護師や准看護師はもちろん、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などリハビリの専門家も活躍しています。

ケアマネジャーや医師とも連携を行い、利用者様が最後まで自分らしい生活を送れるように支援をします。

看護師等養成所・看護学校

看護師や准看護師などの養成教育を行う施設です。

看護学校や大学の看護学部などが該当します。教員として働く場合は、教員免許や博士号などの資格が必要になることが多いです。

教育現場で後進の指導や研究活動を行います。

保育所

0歳から就学前までの子どもを預かる施設です。

保育士として働く場合は、保育士資格が必要です。

子どもたちの健康管理や発達支援、食事や遊びなどの日常生活の指導を行います。

保育園では、子どもたちに感染症や怪我などが起こりやすいため、看護師は応急処置や予防対策などにも対応します。

幼保連携型認定こども園

幼稚園と保育園の両方の機能を持つ施設です。

幼稚園教諭と保育士の両方の資格が必要です。

子どもたちの健康管理や発達支援、教育活動などを行います。

幼稚園と保育園の違いに対応しながら、子どもたちに適切なケアを提供します。

乳児院

親から引き離されたり虐待されたりした0歳から2歳までの子どもを預かる施設です。

保育士として働く場合は、保育士資格が必要です。

子どもたちの健康管理や発達支援、日常生活の指導を行います。

子どもたちに安心感や愛情を与えることが重要です。

児童発達支援

未就学の障害のある子どもやその可能性のある子どもに対して、日常生活における基本的な動作の指導や集団生活への適応訓練などを行うサービスです。

児童発達支援管理責任者という専門職が個別支援計画を作成し、保育士や児童指導員などが実際に支援を行います。

看護師は子どもたちの健康管理や医療処置、服薬管理などを行います。

保育所や幼稚園などと連携しながら、子どもたちの発達を促進することが目的です。

放課後等デイサービス

就学中の障害のある子どもに対して、授業終了後や休暇中における生活能力向上のための訓練や社会との交流などを提供するサービスです。

児童発達支援管理責任者という専門職が個別支援計画を作成し、保育士や児童指導員などが実際に支援を行います。

看護師は子どもたちの健康管理や医療処置、服薬管理などを行います。

学校教育と相まって、子どもたちの自立を促進することが目的です。

救護施設

災害や事故などで家族と離れ離れになったり、一時的に保護者が不在になったりした0歳から18歳までの子どもを預かる施設です。

保育士や児童指導員などが子どもたちの健康管理や発達支援、日常生活の指導を行います。看護師は子どもたちの健康管理や医療処置、服薬管理などを行います。

子どもたちに安心感や愛情を与えることが重要です。

児童養護施設

親から引き離されたり虐待されたりした0歳から18歳までの子どもを預かる施設です。

保育士や児童指導員などが子どもたちの健康管理や発達支援、日常生活の指導を行います。

看護師は子どもたちの健康管理や医療処置、服薬管理などを行います。子どもたちに安心感や愛情を与えることが重要です。

産業看護師

企業において従業員の健康管理を担う仕事です。

健康診断の実施やフォロー、メンタルヘルスケア、医務室での看護業務などが主な業務です。

日勤のみで土日祝休みの職場が多く、デスクワークもこなす必要があります。

看護師免許が必須で、保健師資格やPCスキルなどがあると有利です。

救護室

学校や公共施設などに設置された救急処置室で働く仕事です。

生徒や利用者の急病や怪我の対応、健康相談、健康教育などが主な業務です。

日勤のみで土日祝休みの職場が多く、夏休みや冬休みなど長期休暇も取りやすいです。

看護師免許が必須で、保健師資格や教員免許などがあると有利です。

医療機器メーカー(フィールドナース)

医療機器メーカーに勤めて自社製品の販売や説明を行う仕事です。

病院に出向いて製品のデモンストレーションや使い方の指導を行ったり、医療スタッフとのコミュニケーションをとったりします。

日勤のみで土日祝休みの職場が多く、給与も高めです。

看護師免許が必須で、コミュニケーション能力や営業力などが求められます。

コールセンター

電話やメールで医療相談に応じる仕事です。

保険会社や製薬会社などが運営するコールセンターに勤めて、一般の人からの健康相談や副作用相談などに対応します。

日勤のみで土日祝休みの職場が多く、在宅勤務も可能です。

看護師免許が必須で、電話応対スキルやPCスキルなどが求められます。

治験コーディネーター

治験を実施する医療機関で治験に関わる事務的業務や調整業務を行う仕事です。

治験対象者への説明や同意取得、治験薬の管理、報告書作成などが主な業務です。

日勤のみで土日祝休みの職場が多く、給与も高めです。看護師免許が必須で、治験に関する知識やPCスキルなどが求められます。

国の機関

国の公の事業に携わる官公庁に所属している看護師が、国家公務員看護師です。

病院以外にも、法務省の刑務所や防衛省の自衛隊病院、厚生労働省の保健所などが職場になります。

専門性や特殊性の高い職場で働くケースが多く、幅広い医療知識やコミュニケーション能力が求められます。

給与や待遇は安定していますが、異動や転勤がある可能性もあります。

刑務所で働く看護師

刑務所で働く看護師は法務省の職員であり、国家公務員です。

刑務所には一般刑務所と医療刑務所の2種類があり、それぞれによって仕事内容や対象者が異なります。

自衛隊病院で働く看護師

自衛隊病院で働く看護師は防衛省の職員であり、国家公務員です。

自衛隊員やその家族だけでなく、一般市民も受診することができる病院です。自衛隊病院は全国に約40か所あります。

保健所で働く看護師

保健所で働く看護師は厚生労働省の職員であり、国家公務員です。

保健所は地域住民の健康増進や予防医療を目的とした行政機関です。

保健所は都道府県や市区町村によって運営されています。

宮内庁病院

宮内庁の職員や皇室関係者の医療を行う病院です。

看護師は一般的な病院と同様に外来や入院・手術室・救急室などで患者のケア・看護を行います。

給与や福利厚生は国家公務員と同じですが、勤務時間や休日は病院によって異なります。

国立ハンセン病療養所

ハンセン病(らい)の患者の治療や生活支援を行う施設です。

看護師はハンセン病に関する専門的な知識や技術を身につけ、患者の身体的・精神的なケア・看護を行います。

給与や福利厚生は国家公務員と同じですが、夜勤はありません。

独立行政法人国立病院機構

国が運営する独立行政法人で、全国に約140か所の国立病院を有しています。

看護師は一般的な病院と同様に外来や入院・手術室・救急室などで患者のケア・看護を行います。

給与や福利厚生は準公務員と同じですが、夜勤はあります。

地方自治体

都道府県や市町村などの自治体が運営する医療機関に所属する看護師が、地方公務員看護師です。

公立病院や診療所はもちろん、保健センターや学校、公立の看護学校や保育園、地域包括センターや障害者福祉施設なども職場になります。

地域住民とのかかわりが多く、健康管理や健康教育などを行います。

給与や待遇は安定していますが、異動や転勤がある可能性もあります。

保健センター

働く看護師は、地域住民の健康診断や予防接種、公衆衛生に関する指導を行います。

業務は、医師や保健師のサポートが中心です。健診では採血や血圧のデータを数多く管理します。

そのため、看護技術だけでなく、データ管理の能力も必要とされるでしょう。

また、地域住民とのかかわりが多く、年配の方や乳幼児、妊婦など、さまざまな人と接する機会があります。

傾聴の姿勢やコミュニケーション能力が求められるといえそうです。

学校

養護教諭と学校看護師があります。

養護教諭は保健室に常駐する教師で、生徒の心身のサポートを行います。

応急処置のみで医療行為を行いませんが、生徒指導やクラブ活動の指導といった教育にも関わります。

養護教諭になるには、教員免許状を持っていることが必要です。

学校看護師は医療的ケアを必要としながら学校へ通う生徒への医療行為を行います。

例えば、経管栄養の準備や投与、呼吸器管理や吸引などのケアなどがあります。

学校看護師はあくまでも看護師なので教育には関わりません。

イベントナース

イベント会場で救護活動を行う看護師です。

コンサートやスポーツ大会などのイベントで、怪我や体調不良になった人への応急処置や搬送を行います。

日勤のみで土日祝休みの職場が多く、イベントによっては旅行気分を味わえることもあります。

看護師免許が必須で、救急看護師資格や救命救急士資格などがあると有利です。

ツアーナース

旅行会社と契約して旅行者の健康管理を行う看護師です。

国内外問わず旅行先に同行して、旅行者の体調不良や怪我に対応します。

日勤のみで土日祝休みの職場が多く、旅行好きな人には魅力的な仕事です。

看護師免許が必須で、英語力やコミュニケーション能力などが求められます。

シップナース

船舶に乗船して乗客や乗組員の健康管理を行う看護師です。

クルーズ船や貨物船などで働きます。船内で医師と連携して診察や処置を行ったり、救命訓練などに参加したりします。

日勤のみで土日祝休みの職場が多く、海外への渡航も可能です。

看護師免許が必須で、英語力や救急看護師資格などがあると有利です。

医療ライター

医療に関する記事やコンテンツを執筆する看護師です。

雑誌やWebサイト、広告などのメディアで働きます。

医療知識を活かして正確でわかりやすい文章を書いたり、取材や編集なども行います。

日勤のみで土日祝休みの職場が多く、在宅勤務も可能です。

看護師免許が必須で、ライティングスキルやPCスキルなどが求められます。

変わった働き方

派遣看護師

看護師の派遣会社に登録し、仕事の依頼を受ける形になります。

病院やクリニックはもちろん、保育園や学校、企業などの様々な職場で働くことができます。

自分の希望やライフスタイルに合わせて働き方を選べるメリットがありますが、派遣先によっては不安定な収入や人間関係などのデメリットもあります。

メディカルコーディネーター

医療機関と患者の間に立って、医療情報や医療サービスの提供を行う看護師です。

医療機関の紹介や予約手配、診療内容の説明や相談、医療費の見積もりや支払い手続きなどを行います。

医療知識やコミュニケーション能力が必要ですが、日勤のみで土日祝休みの職場が多く、ワークライフバランスが取りやすいです。

フライトナース

航空機内で救急医療を提供する看護師です。

救急搬送や海外からの患者受け入れなどの際に活躍します。

航空機内での医療行為には特別な許可が必要なため、救急看護師資格やフライトナース資格などが必要です。

飛行機好きや海外好きには魅力的な仕事ですが、体力的にも精神的にも負担が大きいです。

フォレンジックナース

法医学的な知識を活かして、暴力被害者や加害者のケアを行う看護師です。

被害者への身体的・精神的なケアだけでなく、証拠物件の採取や保存、裁判への証言なども行います。

専門性が高く責任重大な仕事ですが、日本ではまだ認知度が低く、資格制度もありません。

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